ヨガブーム、そしてピラティスブームへ

奈良市あやめ池・学園前・大和西大寺地域と近鉄奈良駅地域(船橋商店街)、オンラインでヨガをしておりますヨガの和ほこほこのNaoです。

夏も終わりに近づき、クマゼミも鳴かなくなりました。まだまだ暑くとも季節の移り変わりを動植物は知っていますね。

さて、2020年、コロナ以降、ヨガの“ブーム”は終わりました。先日は全国展開し、ヨガスクールからたくさんのインストラクターを排出していたて大手ヨガスタジオが破産・閉鎖されました(一部店舗は別経営で存続)。時代の移り変わりを感じます。

⚫︎ヨガブームの変遷

⚫︎ピラティスとヨガの違い
ヨガのなりたち
ピラティスのなりたち
違うけれど身体はひとつ

⚫︎まとめ

 

ヨガ “ブーム”の変遷

ヨガは紀元前5世紀頃から始まったと言われるもの。日本には平安時代、空海が持ち帰ったと言われています。ただ、奈良は国際都市だったので、非公式には伝わっていたのでは?と個人的には思っていたりします。

第一次ヨガブーム

1970年代、エクササイズとしてのヨガがブームとなりました。一部の人が修行するものというイメージから、庶民の健康維持法としての認知が広がったのですね。私がヨガを始めた2000年頃は、この頃から販売されていた書籍が唯一のテキストでした。

今、ヨガを教えておられる先生方の中で70代以上の方はこの頃、ヨガを始められたのでしょうかね。

沖先生はブームを牽引されていた方。私が初めて教えていただいたヨガの師も沖ヨガの先生でした。

第二次ヨガブーム

1995年、宗教団体の事件以降、ヨガは怪しいというイメージがつきまといました。私自身、ヨガを始めた頃、家族に伝えるのには勇気が必要でした。XJapanのToshiさんの洗脳騒動があったのもあり、どこかで「騙されるのかもしれない」という意識がありました。

そこから、アメリカのエクササイズ系のヨガが日本に入ってきて、ヨガはおしゃれな習い事へと変化していきました。

マドンナやスティングなど有名人がヨガをし、日本でもモデルさんたちがヨガをし始め、20代、30代の女性が、マットバッグ片手に会社帰りにヨガスタジオへ通う、そんなイメージへと変化したのです。

ちなみに私はジャージにバスタオルでやっていましたけどね(苦笑)。

その流れはコロナ前まで続いていました。ヨガというだけで人は惹きつけられていましたし、大きなイベントも行われていました。ヨガインストラクターの養成講座は大盛況。インスタグラムには”映える”ポーズ写真が投稿されていました。

私はその頃から少しずつ、イメージの剥離が起こってきたのではないかと思います。ヨガで怪我をする人も増え、インストラクターは水増し状態。大勢のグループレッスンではひとりひとりに寄り添うこともなく、置いてきぼりの人も増えます。

バブルが弾けたように、ブームは必ず去ります。

コロナ中、オンラインヨガ、コロナ後は?

新型コロナウィルスが流行し始め、緊急事態宣言が出されて以降、対面レッスンは次々の休講。YouTubeでのレッスン動画がたくさんアップされ、ZOOMアプリを使ったオンラインヨガが開催されるようになりました。私は動画もない時代にヨガを始めたので、夢のような進化でした。

対面レッスン、オンラインレッスンにはそれぞれ、メリットデメリットがあります。私は対面のほうがオンラインよりいいとは一概に言えないと思っています。オンラインにはオンラインの良さがあります。

コロナ禍が落ち着き、新型コロナウィルス感染症が5類感染症へと移行。人々のマスクをはずし始めた2023年。ヨガは本格的に対面レッスンへと戻っていきました。

その時、ヨガ業界はヨガブームが終わったことをヒシヒシと感じることになります。人が戻ってこないのですね。
それまでヨガウェアとして売られていたウェアがピラティス・ヨガウェアとして売り出されます。

時代のブームはピラティスへと移行していったのです。

 

ピラティスとヨガの違い

奈良でもピラティススタジオが増えました。ピラティスとヨガは何が違うのでしょうか。これはさまざまな意見が出ることだと思います。ヨガに対する考え方、ピラティスに対する考え方も千差万別だからです。

歴史から紐解くと

 

ヨガのなりたち

ヨガがいつから行われていたのかは、正確には分かっていません。

それでも、現代では4,500年前と言われることが多いのですが、それはインダス文明の遺跡からの推測です。

インダス文明といえば世界の4大文明の1つとして知られ、特にモヘンジョダロやハラッパーという遺跡群が有名です。

そんな遺跡の中から、パシュパティ(獣の王)と呼ばれるモチーフ(印章)が発掘されています。

〜略

5世紀ごろに編纂された『ヨガ・スートラ』によってヨガの教えが明確になりました。

ヨガ・スートラは現代でのヨガの教典として最も権威があるものです。

ヨガ・スートラのヨガでは、心をコントロールする方法を具体的に説きます。

心を制御して、完全に心の働きが止まったときに、本来の自分であるプルシャ(真我)の状態に到達できるのだと説きます。

ヨガジェネレーションさんの記事より引用
https://www.yoga-gene.com/post-75575/

 

モヘンジョダロの遺跡

 

ピラティスのなりたち

 

ピラティスは、創設者であるドイツ人のジョセフ・ピラティスという人物によって、第一次世界大戦の傷病兵のリハビリのために取り入れられていたのが始まりです。

元々彼自身が病弱であったこともあり、それを克服するために様々なスポーツや身体運動を学び、より健康的で美しい体づくりにこだわり続けていたことも影響していると言えます。その中にヨガも含まれていたとも言われています。

ピラティスには、マットで行うものだけではなく、イクイップメントを利用したマシンピラティスもありますが、それは、寝たきりになってしまった傷病兵のために、寝たままでもリハビリができるようにとベットのスプリングを利用してマシンを作ったことが元になっています。

その後、ジョセフ・ピラティスはアメリカのニューヨークに渡り、スタジオを開設しましたが、同じビルの中にダンススクールとリハーサルスタジオがあったということもあり、多くのダンサーが怪我の回復やパフォーマンス向上のために彼の元を訪れました。彼から直接指導を受けた弟子のほとんどがダンサーだったというのは、このことが理由として挙げられます。

ヨガジェネレーションさんの記事より引用
https://www.yoga-gene.com/post-48691/

ヨガとピラティスはそもそもの成り立ちと目的が違うのです。ヨガは幸せに在るための術、全般であり、時代の変遷とともに、変わっていることも多いです。生き方、哲学から運動まで全てを含んでいます。

ピラティスはフィジカルに注目し、機能回復、身体のコントロールを身につける術になります。

 

違うけれど身体はひとつ

2つは全然違うものとも言えますが、共通項も多いです。

 

⚫︎ヨガは内観と言われますが、ピラティスこそ、細かく内観していくものだと感じています

⚫︎ピラティスで身体が使いやすくなれば、心も軽くなります。フィジカルを整えて心にも変化があるのはヨガと同じではないでしょうか

⚫︎呼吸はヨガの専売特許ではありません。ピラティスでもトレーニングも呼吸はしっかり行いますし、習います

⚫︎ヨガポーズは解剖学や生理学が発展する前から存在していたものもあり、目的が曖昧です。昨今では解剖学的な目的を明確にしてポーズをとるレッスンも多々あります。一方ピラティスは目的はヨガよりはっきりしています。

⚫︎ヨガではチャイルドポーズ、シャバアーサナに代表される休息のポーズがあります。自律神経を整える、リラックスするというにはヨガのほうがいいかもしれません。

ヨガとピラティスは対立するものではなりません。どちらにも内包できるものであると思います。またどちらもインストラクターの手腕に左右される部分が大きいです。私自身、これはヨガ、これはピラティス、これは筋トレと分けたことはありません。身体はひとつ、アプローチ方法がいろいろあるだけです。

まとめ

人はよりよく、心地よく、痛みなく幸せに生きたいと願います。その手段がヨガやピラティスであるというだけ。最終的にはどちらもそこに行き着くのだと思います。

ヨガのブームは終わり、きっとこの先、ピラティスのブームも終わるでしょう。ブームとは終わるものです。けれども良いものは残るのです。

私たちにとって大切なのは本質を見失わないことではないでしょうか。


text by Nao