呼吸力の大切さ
奈良市あやめ池・学園前の初心者向け女性ヨガ教室「ヨガの和ほこほこ」のNaoです。
(現在、講師はパニック障害で療養中につき、レッスンはお休みしております。詳細はこちらに)
いつもは自転車族の私ですが、昨日は雨が降っていたので、傘を差して歩いて外へ出ました。
パニック障害再発当初より、かなり体力が戻ってきたとは言え、低気圧の日はやはり苦手です。
ゆっくりと歩いていたら突然目の前に見事な風景が。
魔法?奇跡?
思いがけない自然のプレゼント。
人間って美しい風景を見ると呆けますね。
アホ顔で佇んでいたアラフィフです。
ヨガの一番大切な要素は呼吸
さて、ヨガでは呼吸を大切するということは、多くの方がご存知かと思います。
それはなぜなのでしょうか。
私は10年前、過呼吸や息苦しさ、喉のつかえ感などパニック障害の症状に苦しみました。
寛解し、普通の生活に戻ったものの、去年、再発し、久しぶりに過呼吸を経験しました。
呼吸がいかに大切なものか、改めて痛感しています。
(ちなみに過呼吸は吸い過ぎで、酸素過多となって起こりますので、吸いたくなってもまずは吐いてください。吸いたくなるのは脳の勘違いです)
なぜ呼吸が必要なのか。
食べ物は数日食べなくても大丈夫ですが、呼吸しなければ10分経たないうちに命を落とすと言われています。
呼吸とは酸素を吸って、二酸化炭素を吐き出すこと。
これは小学生でも知っていますが、なぜ酸素が必要なのでしょうか。
ヒトの体が酸素を必要とするのは、細胞が生存や活動のためにエネルギ−を得る必要があるからです。
体は、エネルギ−源として、グルコースを代表とする単糖類や、脂肪酸を使います。
(よくわかる生理学の基本としくみ)
グルコースに酸素を加えることで、発生するエネルギ−を細胞は使っているんですね。
ただし、化学反応の結果、エネルギ−を得ると同時に、二酸化炭素も生成されます。
二酸化炭素を体内にとどめておくと、酸が発生し、体に有害です。
ですから体外へ出さなければいけません。
生命活動を行うためのエネルギ−に必要な酸素を取り込み、無用な二酸化炭素を吐き出す=呼吸です。
命をつなげていく中で欠かせない生命活動なのですね。
ヨガでは「空気と一緒にエネルギ−も吸い込んで」などと言ったりしますが、実際、エネルギ−の元を吸い込んでいるわけです。
肺はどうやって動くのか
肺には筋肉がありません。
肺胞や気管支の周りは薄い膜で覆われてはいますが、筋肉のように自らの力で伸び縮みすることはできません。
ですから肺は肋骨周りにある筋肉の力で、動かされています。
肋骨には横隔膜や外肋間筋という筋肉がついており、それらが縮むことで、肋骨と背骨で囲まれた部分(胸郭)の面積が大きくなります。
すると受動的に肺も膨張するのです。
逆に横隔膜がゆるみ、内肋間筋という筋肉が縮むと、胸郭が元に戻り、風船がしぼむように肺もしぼむことで、中の空気は外に吐き出されます。
呼吸は命の要
肺は周りの筋肉を使って呼吸をしているわけですね。
◆エネルギ−を作るために酸素が常に必要
↓
◆酸素を使ったら不要な二酸化炭素が出るので吐き出す
↓
◆そのために肋骨や背骨周りの筋肉を使う
という流れです。
ということは、肋骨や背骨周りの筋力が低下していたり、かたくなって伸び縮みできなかったら、呼吸力が落ちることになります。
酸素をたっぷり取り入れたり、しっかりと二酸化炭素を排出することができなくなります。
呼吸が浅くなると、酸素が足らずエネルギ−が不足しますし、その分速い呼吸になると、交感神経を刺激し、自律神経のスイッチが上手に切り替らなくなる可能性も出てきますよね。
やっぱり呼吸は命の要です!
背中に意識を
呼吸力を上げるためには、肋骨や背骨周りの筋肉を使える状態にしなければいけないことがわかりました。
胸、背中と言われる部分です。
この部分は姿勢によって、ずっと縮みがちだったり、伸びたまま筋力が弱ったりしがちです。
この姿勢だといかに呼吸力を下げているかおわかりになるかと思います。
また、下の写真のように胸を張り過ぎても、今度は背中が縮みっぱなしになり、呼吸はしづらくなります。
横隔膜は肋骨に対してドーム上についていますし、肋間筋は背中側までついています。
肺は前にふくらむわけではなく、前後左右に大きくふくらみます。
ちなみに背中の部分には交感神経も通っています。
腹式呼吸だけでなく、胸郭をふくらませる胸式呼吸も大切な呼吸法だということです。
どちらがいい悪いではなく、使い分けができればいいですね。
胸式呼吸の場合は、背中にも空気を入れるように意識します。
ちょっとしたセルフケア
肋骨や胸のあたりってけっこうコリコリだったりします。
すると息を吸いにくくなります。
ですから、呼吸法をする前に、
◆指の腹で、やさしく鎖骨下からバストの上をトントンしたり、軽く指圧したり
◆握りこぶしのところにできるぐりぐりとした部分で、肋骨間を軽くマッサージしたり
もちろんストレッチでもいいのですが、軽く触ってあげるだけでも、ほぐれて呼吸がしやすくなります。
緊張して息が吸いにくい時にもおすすめです。
★精神的、肉体的ストレスで呼吸が吸いにくいなと感じたら、まずはたっぷりと吐いてみてください。
吐くほうが先です。
ストローから吐くようなイメージでゆっくりゆっくりです。
お試しくださいね。
特にマタニティさんは、赤ちゃんの分も酸素を取り入れなければいけません。
呼吸を大切に、大事な時期をお過ごしください。
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