パカっと開脚、ぐいーんと後屈は必要?関節可動域のお話

奈良市あやめ池とオンラインでヨガレッスンをしておりますヨガの和ほこほこのNaoです。初春くらいからでしょうか、お天気がずっと不安定な気がします。お天気が不安定→気温が不安定→自律神経不安定になりますね。

これからの季節は熱中症にもお気をつけください。湿度が高い日は汗をかいても蒸発しにくくなるので曇りの日でも要注意です。

さて、ヨガというと「身体がかたいけどできるかな?」と不安になる方がほとんどですが、柔らかければいいかと言うと、声を大にして「否」とお伝えしたいです。

今回は柔軟性のお話です。

ヨガのイメージはこんな感じ?

以前に比べるとマシになりましたが、ヨガのイメージ画像はこういうのが多いですね。

めっちゃ反ったりとか

 

 

めっちゃ開いたりとか

(画像は無料画像サイトより)

 

 

今だにヨガというと「身体が柔らかくなければできない」というイメージが払拭されていません。もちろん日常生活で不具合が生じるような身体のこわばり、動きにくさは解消する必要がありますが・・・・

日常生活を思い出してみてください。パッカーンの開脚やぐいーんの後屈は日常生活で必要でしょうか?

 

関節可動域のお話

人形を思い出してください。どこまでもクルクルつなぎ目(関節)が回りますよね。あれが人間だとどうなるでしょうか。身体が壊れますね。

人間の関節には運動できる範囲があります。

 

関節可動域とは

各関節が運動を行う際の生理的な運動範囲。
身体の各関節が、傷害などが起きないで生理的に運動することができる範囲(角度)のことを示します。

厚生労働省 生活習慣病予防のための健康情報サイトより

 

股関節の可動域

股関節 

(画像は「筋肉と関節のしくみがわかる事典」より)

股関節を曲げて開いてねじる動きと言えば開脚です。

開くのは外転、外旋という動き、45度と書かれてあります。ですから両足で90度くらい開いたらOKなのです。もちろん、バレエやスポーツでそれ以上の柔軟性が必要という場合は除きます。

立て開脚は前足は股関節を曲げ(屈曲)、後ろ足は引いています(伸展)。

画像に書かれてある伸展の可動域は15度。ん?立て開脚の後ろ脚ってめちゃくちゃ後ろに引いていますね。90度くらい曲げてる!?無理やりしようとすると腰も反る(危険)

靭帯は伸びたら戻らない

靭帯はロープのように身体の動きを制限し、行き過ぎないように守ってくれています。可動域を超えた過度の柔軟性を追い求め、靭帯を痛めてしまうと元に戻りません。ですから注意が必要ですね。

柔らかさは筋力とセットで

柔らかさ=健康、怪我知らずでないことは、柔軟性が高いアスリートでも怪我をしていることを見ているとわかりますよね。歳を重ねると筋力は何もしなければどんどん落ちます。関節を守るためには筋力維持が不可欠です。特に大人女子の場合、更年期以降は気をつけなければです。

これは柔軟性を否定しているわけでは決してありません。日常生活で役立たないかも!?なポーズも、身体を動かす楽しさや、成長の喜びを教えてくれたりもします。

ただ、そこで大切にしたいのが安全。ヨガも他の運動と同じようにやり方を間違えたり、無理な動きをすれば怪我をします。柔軟信仰にとらわれず、心身が健やかになるようにヨガと付き合っていただけたらと願っています。

↑腰反りもやばいんですが、こういう前後に脚を開くものって仙骨まわりの靭帯が無理やり伸ばされているかもです。

text by Nao